【技師長ブログ】工作機械修理 フライス盤

投稿日:2022年01月11日

汎用フライス盤から異音がするので診て欲しい・との依頼がはいりました。

主軸からは激しい音が出ています。

今にも焼き付きそうな音です。

偶然にも先週他の会社で修理したフライス盤と全く同じフライス

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ギヤチェンジしても音に変化がありません。

これはモーターからの動力を受けている第1軸からですね。

ニュートラルにしても激しい異音

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ベルトを外して手で回してみます。

ゴリゴリとした感触が伝わってきます。

諦めて?分解していきます。

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このフライス盤はレバーの位置を間違えた場所にすると、このレバー操作側の蓋が外れてくれません。

上のレバーはこの位置に合わせて外します。

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外れました~

ギヤボックスの下には鉄粉が・・・無い!?

ベアリングの玉の保持器もダメになっているはずなのに??

まあ、第1軸のベアリングからの異音は間違いないので分解です。

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奥のベアリングのようですが・・・

パッと見、悪くありませんし鉄粉も出ていません?

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プーリーを外してここまで分解したら、何故かゴリゴリとした感触が消えてしまいました。

まあ、この時点で気が付く事なんですが・

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このフランジの矢印部分と

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本体側から少し飛び出ているベアリングが強く当たってスラスト荷重が掛かっていました。

使われているベアリングはフツーの6208ベアリングなのでスラスト荷重はNGです。

ベアリングを新品に交換してフランジを締め付けていくと・

段々と軸の回転が重くなります。

完全に締め付けても回るのは回るけど明らかに重くなってしまいました。

さて・シムを入れるか、ベアリングの当り面を削るか・

この会社には旋盤のプロフェッショナルが居るので、当たり面を0.1mm削ってもらう事にしました。

この軸はスラスト方向にガタがあっても問題ない軸なのでギリギリを狙う必要はありません。

組付けながら軸が重くならないか確認

大丈夫なようです。

もしかしなくても新品の時から??

試運転して静かになった事を確認して完了です。