NC旋盤に付いているX軸ギヤボックス潤滑油ポンプモーターの修理になります。
ギヤボックス内部のベアリング交換は先に済ましています。
症状は、①モーター内部に潤滑油が入ってきてしまう。②潤滑油が出ていない。③手で触れられない程の発熱
まあ、欠相ですね。
潤滑油がモーターへ入ってくるのはオイルシールの痛みでしょう・って事で欠相の確認
非分解の構造ですがM5のタップ加工を施しスライディングハンマーでカバーを追い抜きました。
配線の途中で切れていないか診てみましたが残念ながらコイルで断線しているようでした。
たまたま同じモーターが社内にあったのですがギヤードモーターだったのでスピンドル形状が違います。
中身だけを移植
なにせ新品モーターの納期が7~8か月そんなに長い間待ってられません。
ついでにベアリング交換
んが!!
スピンドルにある切り欠きの部分にオイルシールが当たるような事になってます!
これではオイルシールを交換しても意味がありません。
モーター内部へオイルが入ってきていた原因はここですね。
これは・・・設計ミス?モーターの選定ミス?
どうにもならないのでTIG溶接にて切り欠き部分に肉盛り
軸が細いので当たり前のように曲がりました。
ガスで炙りなが鉛ハンマーでコチコチ・・・なんとか±20μ内に振れをとりました。
かなりの難易度でした。
旋盤加工完了~
これでなんとかなるでしょう。
オイルポンプに付いているオイルシールも交換して組付け
シングルリップのシールでしたが溶接修正の事もありダブルリップのシールとしました。
試運転しますがオイルが出てきません?
相を間違えているかと思い振り替えてみますが・それでも出てきません??
分解前に合わせマークを打っているので組間違いはありません。
よく見てみるとポンプ吸い口の前蓋が本来の位置から120度ズレています。
120度もズレていればオイルを吸う事はできません。
どうやら元々このポンプは機能していなかったようです。
X軸スラストベアリングの損傷の一因だったかもしれません。
正規の位置にして試運転。
元気にオイルが出てきました。
暫く回してオイル漏れの確認。
大丈夫なようです。ヤレヤレ~これでやっと組付けに行けます。
2022年3月16日現在の機械修理、機械移設、装置製作の依頼完了総数3937件