【技師長ブログ】工作機械修理・キーシター

投稿日:2022年06月17日

キーシーターの修理依頼が入りました。

症状としてはクラッチが滑って刃物が途中で止まる・

ギヤボックスを見てみます。

潤滑油が入っていません。

クラッチが潤滑されていないのでクラッチフェーシングに異常な摩耗も見受けられます。

クラッチ調整を行い潤滑油を規定量いれて動作させてみますが・

同じく途中で止まります???

このキーシーターは反動を利用?してクラッチの切り替えを行い刃物が上下する構造になっているので蹴る力を強めてみます。

そうすればクラッチへの圧着力も上がるはず?

ガーン!!

クラッチへの圧着力を上げたら刃物が食い込んで割れてしまいました。。。

これは・弁償ですな・・・。

さて、気をとりなおして原因を探ります。

悪いのはクラッチだけではありません。

 

もしかして、刃物がワークを削りはじめたらガイドポストが切削抵抗で逃げていて逃げられないところまで送りがきた時にドカ!っと食い込んでいるのでは?

ガイドポストとテーブルのガタを見ようとガイドポストを引っこ抜くと・・・!

ガイドポストが入るテーブルの状態がよくありません。

これはテーブルを持ち帰って測定ですな・

測定結果は・ガイドポストの径を0とした時のテーブル穴径は

上部が+0.14mm真ん中付近が+0.08mm下部が0.10mmでした。

微妙にひょうたん形に摩耗してますな・

真ん中一か所でガイドポストを固定しているのでこれでは加工できません。

仮説が現実となりました。

さて・対策は・・・。

 

本来ならテーブル交換ですが・

横中ぐり盤で前からガイドポストを押し付けられるように加工してみました。

斜めから4か所セットボルトを締め付けると奥の真鍮材を押してガイドポストをガッチリ固定します。

試運転結果は・!?

サクサク切れてます。

やはりガイドポストごと逃げていたんですね。

ちょっと失敗もありましたがお客様には喜んでもらえました。

ヤレヤレ~~~。

 

 

2022年6月17日現在の機械修理、機械移設、装置製作の依頼完了総数4065件