【技師長ブログ】装置修理 ジブクレーン

投稿日:2022年08月02日

ジブクレーンの修理改造?改良依頼が入りました。

症状としては旋回が重い、流れる・・・

 

早速、採寸して3D図面化

ぱっと見、軸受けにベアリングが使われていないようなのでベアリングを組み込んだ図面を描きました。

使われるブラケット材も現在の鋼材より肉厚とし強化します。

 

中心の軸を採寸した結果、今回スラスト荷重はテーパーローラーベアリングで受けるようにしました。

高所へ上がっての給油はしなくてもいいように上側の軸受け部分は接触シールタイプのベアリングを使います。(下側はテーパーローラベアリングなので必要ですが・)

図面が出来たのでブラケットとフランジを製作

先ずは旋盤加工にてフランジを製作

  

続いてブラケット

溶接➡歪み取り➡横中ぐりでの加工➡ラジアルボール盤での加工

新人の教育として横中ぐり盤の操作講習も兼ねて・

  

インデックスの使い方に作業段取りのやり方なんかも講習

 

穴開けタップにザグリ加工

ベアリングを組み込んで完成~。

上側のブラケットには長穴加工して微調整ができるようにしています。

出来たので取付る柱の状況を確認します。

ジブクレーンの取付位置のスパンでどれくらい傾いているのかをチェック

 

原始的ですが一番、間違いない測定方法

柱の倒れは4.5mmでした。

下側のブラケット裏に4.5mmのライナーを履かせます。

それでは付け替え工事に取り掛かります。

天井クレーンが無い場所なので一苦労

天井の梁にビームクランプを取付けてチェーンブロックで降ろしてきます。

予期しない事態に陥りました。

アームと一体になっていると思っていた部分がただの丸棒でパイプに差し込んでいただけの構造でした・・・。

一体構造だと思いガス切断したら突然抜け落ちてきたので焦りました。

さて・どうすべ?

一番下のベアリング押さえを作り変えて蓋にする事で抜け止めとし解決しました。

上に向いてシャフトが抜ける事は無いと思いますが一応、上側にも抜け止めのプレートを製作して取り付けました。

やはり軸受け部分にスラストベアリングがありませんでした。

そりゃ重いよ~~~┐(´д`)┌ヤレヤレ

 

落ちてきた丸棒を手入れしてベアリングが入るようにして・

一連の対策工事が完了しました。

操作は・当然ですが軽いです。

勝手に流れて行く事もありません。(*^^)v

これにて完治。

 

2022年8月2日現在の機械修理、機械移設、装置製作の依頼完了総数4135件