昔、自分が勤めていた自動車修理屋さんから油圧ハンドプレスの修理依頼が入りました。
自分も使っていたプレスって事ですね。
症状は加圧したりしなかったり?
メーカーが無くなっておりパッキン関係の入手が困難だとか・
本体から外されてシリンダー単体で入庫
分解、組付けには特殊工具が必要。
このリターンスプリングがかなり強力です。
取外しにはこんな工具を使います。
以前自分が作った工具です。
差し込んで
くるっと回し
引っ張れば
外れました。
それでは分解していきます。
確かに規格にない寸法のパッキンが使われていました。
外径Φ72は存在しません。
シリンダ内に入れてみると痩せているのか?スコスコです。
パッキンのメーカーに問い合わせたところプレスのメーカーが特注で作らせた物と判明
内径違いならまだなんとかできるけど・さてどうしたものか・・・。
仕方ないのでOリングに変更します。
P-62ならつぶれしろが0.7mmでなんとかなりそうです。
それではOリングが使えるようにアダプターを作ります。
内部にもOリングが必要になりますが、アダプター完成~
Oリングは高圧用のNBR-90のP62-Nを使いバックアップリングを装着
それでは組付けていきます。
つぶれしろが0.7mmと少しキツめなので真空ポンプを使いシールを痛めないようにします。
アタッチメントの数がこれまでの使用頻度を物語ってますね~
さすがに真空ポンプだけでは入っていかなかったので鉛ハンマーでゴチッンっと・
パッキンなら勝手に入っていってくれます。
ピストンが入ったのでお次はスプリング
スプリングの組付けには専用のバールを使って・バチーン!って音と共に入りました。
本体からシリンダー部分だけを取り外してきたので加圧テストが出来ない・・・
仕方ないのでスプリングの力を利用してこのまま暫く放置してリークテストとしました。
後日、加圧テストOKの連絡を頂きました。
2022年11月2日現在の機械修理、機械移設、装置製作の依頼完了総数4290件