【技師長ブログ】腑に落ちない機械修理2台。

投稿日:2022年12月17日

NC旋盤とNCマシニングの修理をしましたが、何とも腑に落ちない修理でした。

同じメーカーの機械なのでちょっと伏せた感じでアップしとこうかと・

先ずはNC旋盤

刃物台を旋回させた時に停止位置が不安定でカービックが嚙み合わず山同士が当たって止まってしまう時があるっていう症状

機械が古いから・を言い訳にせず分解調査していきます。

 

刃物台を外してみました。

スプライン軸にガタがあります。

外した刃物台側も異常がありました。

 

内部のフランジは一体物かと思いきや・スプライン部分が実は別物でテーパーピンでスプライン軸とフランジが接合されていました。

衝突させた時などにテーパーピンがせん断されて本体を守る?様な構造みたいです。

で・そのテーパーピンが抜けていたのでガタつきがありました。

とりあえず打ち込み直しで1つ目のガタは消えました。

さて・スプライン軸のガタはどこから?

とりあえず刃物台を旋回させている油圧モーターを外して内部ギヤの状態をみてみます。

 

モーターを外した状態で内部の各ギヤのバックラッシュをみてみますが特に変な部分は見受けられません。

そうなるとモーターピニオン(傘歯車)と相手のギヤのバックラッシュが大きいという事になるので確認してみます。

モーターのピニオンのセットボルトを緩めてピニオンギヤを若干抜いて本体へ組付け

しっかり取り付けたら又モーターを外してピニオンギヤの入り具合をノギスで測定

測定が終わったらピニオンギヤをモータースピンドルの止まり位置まで入れ込んで、もう一度測定

2.5mmもギヤが入りました・・・。

この部分のギヤ同士の間隙は目視できないのでこのような方法で知るしかありませんが・

2.5mmはあまりにも広すぎなのでどうにか詰めないといけません。

モーター取り付けフランジにパッキンがあったので測定

パッキンは1mmの厚みがありました。

パッキンを剥がしてギヤのクリアランスを詰める事にします。

取付けフランジにはOリングも付いているのでパッキン無くても問題ありません。

まだ1.5mmのクリアランスが残りますが、とりあえず清掃して組付け試運転。

カービックの山同士が当たる事は無くなりました。

ちょっと旋回速度が速いようなのでモジュラーバルブもついでに調整しときます。

作業員さん曰く、以前より動きが凄くイイです!との事でしたので、これにて完治としました。

元々入れなくてもよかったパッキンのようでした。

では・お次

NCマシニング

コレは何かというと配線や油圧ホースの稼働部保護のケーブルベア

ぐちゃぐちゃのバラバラ事件になってます。

こうなった原因は・

ケーブルベアの上にあるX軸テレスコピックカバーとの接触

何故かテレスコカバーはガス切断!?で逃げ加工されていますが逃げ様が少なくて接触しまくってバラバラになった模様

新品のケーブルベアも同じメーカーの物なので同様に接触するので更に逃げ加工を施さないといけません。

ケーブルベアの上側と片横が接触したのでL字形に切断です。

サンダーでガリガリっと接触する箇所を大き目に切断!

では新品を組付けて試運転

さすがにあれだけ切って除ければ問題なく動作させれられます。

この機械2台いつから?どうして?って疑問は残りましたが・・・。

とりあえず?完治。

 

2022年12月17日現在の機械修理、機械移設、装置製作の依頼完了総数4360件