【技師長ブログ】工作機械修理 ラジアルボール盤2台

投稿日:2023年03月16日

ラジアルボール盤の修理依頼が2台入りました。

1台はヘッドクランプしない。もう1台はツールをリリースしない。

先ずはヘッドクランプしないヤツから・

中国製のラジアルボール盤です。

クランプボタンを押すとポンプの作動音が聞こえます。

ホースを見てみると油圧は掛かっているようですが全くクランプしません。

ヘッドの裏に油圧シリンダーがあり、加圧するとクランプするようです。

調整でなんとかなるかと思っていましたがスライドの調整を動かしても全く変化なし・

裏押さえ丸ごと外さないといけないようです。

ヘッドが落ちないように細工したら裏押さえを外します。

スナップリングが折れて部品が正規の位置に居ないのが原因でした。

 

一応復旧しましたが・

こんなんでちゃんとクランプできるのかな?

下のブロックをスライドさせる事により強さの調整はできるようです。

エア抜きのプラグが無い・・・┐(´д`)┌ヤレヤレ

クランプ力がちょっと弱いですがそれなりにクランプするようになりました。

クランプ調整も機能しています。

では、お次。

ツールをリリースしない方

油圧でツールのお尻を押して外す構造です

リリースボタンを押すと小さな穴から主軸モーターに向かって油が噴き出ています!?

  

シリンダーを外して分解してみると・鋳物が割れてOリングが飛び出していました。

参りました・単にパッキン交換のつもりだったのに・・・。

どうにか今日中に復旧したいところです・

よくよく見てみるとこのシリンダーは2段重ねのシリンダーとなっており割れているのは下側のシリンダーの一部となるようです。

応急処置として下側のシリンダーには油圧が掛からないようにしようかと・

 

タップを貫通しない程度に深く立ててプラグで奥側の油圧通路に栓してみます。

PS1/8のタップでギリギリまで切って沈みプラグ2個で栓してみました。

これで二段目のシリンダーには油圧が掛からなくなりました。

  

Oリングを入れる必要がなくなったので代わりにグリスをねじ込んでロッドの潤滑機能の溝としました。

 

上のシリンダーパッキンは交換

ストロークを稼ぐ為にリターンスプリングは撤去して・それでもストロークが足りないのでロッドの先端に30mmの長さの丸棒を追加

取付けてエア抜きして試運転

リリースするようになりました~(*^^)v

下側ピストンの用のリターンスプリングで上のピストンをちゃんと押し返して元の位置まで帰っているので大丈夫なようです。

応急処置の旨を話して外しているスプリングを渡しときます。

一応、メーカーに部品の問い合わせをしたところ在庫有り納期4~5日だったのでそれも報告。

暫く様子見して必要そうなら注文という話しとなりました。

 

2023年3月16日現在の機械修理、機械移設、装置製作の依頼完了総数4500件