【技師長ブログ】工作機械修理 フライス盤

投稿日:2023年03月28日

フライス盤の修理依頼が入りました。

症状は切削送りのチェンジレバーが1カ所入らない

その場所へレバー操作するとガラガラと異音が出て動かない。

長年そのままだったけどやはり不便なので修理して欲しいそうな

では・

 

お客さんがメーカーに問い合わせしたところ前蓋外してギヤの位置調整すれば直ると言われたそうな・・・。

実際にはギヤボックスを丸ごと抜いて裏のオイルパンを外さないとギヤなんて見えません前にあるのはベアリングの蓋だけです。

クレーンが無い場所なので寸切りを4か所たてて落ちて来ないギリギリまで出してきて寝転んでオイルパンを外しました。

 

車用語ならドグ、機械用語ならクケイとか噛み合いクラッチと呼ぶそうな

チェンジを入れてもしっかりと噛み合っていません。

ギヤ同士の歯当たりもズレています。

ギヤにセットボルトがあるので緩んで逃げたのでしょうか?

緩んでいました、が!ギヤは動きません?叩いてもビクともしません・関係ないようです。

ほんの僅か動いて微かに引っ掛かる程度にしか動きません。

しかも簡単に元の場所に戻ってしまい、また噛み合わなくなってしまいます。

上からオイルがポタポタ落ちて顔にかかるのであまり潜ってても嫌になります。

前のベアリングの蓋を外してみました。

 

ベアリングに付いてるスナップリングを外してどのくらい奥に入るのか見てみました。

てか・ココってシム調整しなくちゃいけない箇所では?

2.5mm入って止まりました。

!?

もしや・・・以前にもあったぞ!2022年1月11日にアップしてる・

以前は逆バージョンで蓋がベアリングを強く押してベアリングがダメになるパターン

今回は蓋とベアリングの間隔が広くベアリングとギヤが丸ごと抜けてくるパターンか!

ギヤチェンジをするとベアリングが飛び出てきます。

ベアリングに付いているスナップリングは不要と判断

┐(´д`)┌ヤレヤレ

噛み合い部分をよく観察

ん~~~・やっぱり当たった痕跡からしてコレは元々僅かしか掛かっていなかったようです。

その僅かに引っ掛かっていた部分が摩耗して異音、不動につながったようです。

お客様の工場に丁度良さそうなパイプがあったのでシムを作ってもらい調整する事にしました。

最初は2.5mmのシムにしましたが蓋を締め付けるとギヤの回転が重くなったので厚すぎた模様・・・

2.2mmのシムで落ち着きました。

噛み合いの入り具合は?

もうチョイあと1.5mmほど入って欲しいのですが・・・

他の箇所は奥までちゃんと入っています。

シャフトに付いているスナップリングの位置を変更してその分のシムをギヤとベアリングの間に入れれば、ちゃんとした位置にする事ができますが、それだと1日では終わらない工事になってしまいます。

お客様に入り具合の状態を写真で説明して組付けします。

 

組付けたら潤滑油を入れて試運転。

ギヤが抜ける事はありませんし音も静かなので大丈夫なようです。

これにて完治。

 

2023年3月16日現在の機械修理、機械移設、装置製作の依頼完了総数4500件