高難度?の溶接修理です。
戦前?の旋盤Z方向送りのバックラッシュ調整雌ネジ
倣い旋盤なのでここの割れは致命的
真鍮の溶接は含有している亜鉛が邪魔をするので難易度が高いとされています。
いつもなら無垢削り出しで製作してしまうのですが今回はネジ形状が特殊過ぎて刃物がありません。
ネジ山の摩耗が進んでいるのですが今回は溶接修理します。
ネジ切りの逃げ加工部分で割れてしまっているので溶接を盛り上げて強度も上げようかと
押さえ板で挟んで割れている部分をしっかりくっつけたら溶接していきます。
先ずは試しに直流Tigで溶接してみます。
これは・・・
溶接ではなく熔接になってしまいました。
しばらく置いておくと熔接の真ん中付近にクラックが入りました。
失敗です。
サンダーで削り飛ばしてやり直しです。
では交流Tig溶接してみます。
イイ感じでそれなりのビードとなりました。
105Aで始めて徐々に電流値を上げていい感じのポイントを見つけたら
このまま一気に走らせます。
所々でスポンジのようなスカスカ箇所があったので割れた原因は鋳造過程にあったようです。
できました。
ゆっくり冷ましたら旋盤加工です。
旋盤加工が終わったのですが溶接盛りが足らない箇所が多くあります。
今度はMIX Tigで盛り上げてみます。
ソコソコ上手く溶接できましたが、やはり交流Tig溶接が正解のようです。
もう少し溶接機の操作を理解していればもっときれいな溶接ビードになるかもしれませんが・
とりあえず急ぎの修理なので先を急ぎます。
かなり変形もしていたので旋盤加工後、摺合わせ加工を施し
カラーに差し込んでスルスルと動くようになったら組付けて完成です。
2024年5月30日現在の機械修理、機械移設、装置製作の依頼完了総数5133件