【技師長ブログ】汎用旋盤の修理

投稿日:2024年10月30日

長尺の汎用旋盤で切削送りが入ったり入らなかったりするので修理して欲しい・との依頼

メカ的に悪いのか、それとも電気的なトラブルか調べます。

 

X軸、Z軸ともマイナス方向に動かそうとすると、動いたり、動かなかったりします。

どうやら電磁クラッチ付近のトラブルのようです。

配線図があったので線番号が分かるのでプラス方向のクラッチと配線を振り替えてみました。

やはり、どうしてもマイナス方向へは動きません。

マイナス方向クラッチを外さないといけないようです。

  

早送りは動くのでエプロンを前の方(マイナス方向)に寄せます。

工場的に制約があるので前方へ寄せないと送り竿とネジ切りの竿が邪魔してエプロンが外れません。

エプロンの取り付けボルトを外したら寸切りボルトを入れ、ナットを少しずつ緩めてエプロンを降ろします。

木の床を張っているので下げ代がギリギリ

クレーンもギリギリ・届かない・・・。

 

色々と面倒でしたが外れてくれました。

では持ち帰ります。

  

持ち帰ったので詳しく調べます。

マイナス方向用のクラッチの回り止めがありません。

テスターを当てて導通を調べると左に回すと導通アリ。右に回すと導通ナシ

断線ですね。

回り止めが外れた為、動き回って内部の銅線が金属疲労で切れたようです。

切れている部分の被覆をむいで半田づけ

脱落したステーとボルトを回収しダブルナットとして緩み対策を施して組付け

オイルパンに溜まったヘドロ綺麗に清掃します。

送り竿のキーも摩耗しているので製作、交換。

オイルシールは全てダストシール付きのWリップタイプへ交換

持ち込んで組付け試運転

問題なく動く事を確認して完了~(*^^)v

 

2024年10月30日現在の機械修理、機械移設、装置製作の依頼完了総数5427件